http://distro.ibiblio.org/tinycorelinux/concepts.htmlより
設計思想
基本的な考え
核となる部分を外部記憶からメモリにロードし、その後アプリケーションは外部記憶のものをマウントするか、メモリにロードしてしまいます。
よくあるハードディスクへのインストールは推奨されません。インストールすることもできますが、起動時にはメモリにコピーされてメモリ上で動きます。これによって高速動作するだけでなく、システムファイルの改変を防止し、再起動時には毎回常に新品同様のシステムに保つことができます。簡単、高速、容易に新品に戻せ、そして安定しているというのがTCの目標です。
ブートコード
起動時に入力できるオプションのブートコードは、F2、F3、F4キーを押すことで表示されます。
- USBメモリや外部記憶
本体のハードディスク以外も利用できる場合、個人的な拡張機能保管場所としての利用(Personal Persistent Repositories of extensions, PPR)やアプリケーションのインストール先としての利用(Personal Persistent Installed applications, PPI)ができます。
TCの起動が早すぎてそれらを読み込めないようであれば、ブートコードにwaitusb=5を加え、5秒間待つことで読み込めるようになるかもしれません。
拡張機能間の依存関係確認
Appbrowserでは拡張機能の依存関係情報が確認できますし、依存関係を満たすために自動的に必要な他の拡張機能を追加インストールすることもします。
使用モード
TCには次の三つの使用モードがあります。
- 標準:クラウド/インターネット
- マウント:TCZ/インストール
- コピー:TCZ/インストール+copy2fs.flg/lst
- ハイブリッド:不揮発/ユーザー/ローカル
ちなみに、ハードディスクへのインストールもできなくはありませんがTCが目指している使い方ではありません。
標準モード:クラウド/インターネット
- 基本部分はすべてメモリ上に読み込まれます
- Appbrowserを使って必要な拡張機能(アプリケーションなど)をダウンロードし使用します
- 電源を切ると消えてしまい、毎回ダウンロードします
メモリ上で動作するため早いです。システムの持ち運びも容易です。再起動すると拡張機能は消えてしまい、システムの基本部分だけが読み込まれます。
(訳注:ネットワークにつながっていることが前提条件で、一度限りの使用を想定し、使った痕跡が残らないモードです。逆に、起動メディアが準備されていれば、ハードディスクも含め外部記憶を必要としません。)
マウントモード:TCEインストール
一番よくつかわれるモードで、お勧めです。
- ダウンロードした拡張機能はtceディレクトリに保存されます。
- 拡張機能を起動時に自動的にマウントすることもできます。
- 拡張機能はマウントされるだけで本体をすべてメモリに読み込むわけではないため、メモリを節約できます。
ブートコードでtce=...と保存場所を指定してやることでこのモードになります。保存された機能拡張は起動時に自動的にマウントすることも(OnBoot)、必要に応じてマウントすることも(On Demand)できます。
(訳注:拡張機能を毎回ダウンロードする必要がないうえに、ドキュメントや設定ファイルなどを保存できるモードです。)
コピーモード:TCEインストール+copyfs
- 拡張機能はすべてメモリに読み込むことも(copy2fs.flg)、一部だけ読み込むことも(copy2fs.lst)、必要になるまで読み込まずにおくこともできます。
- Appsauditでどれにするか選択できます。
- メモリに読み込むために起動時間が長くなります。
(訳注:メモリに余裕があれば、起動時にできるだけプログラムをメモリに読み込むことで高速動作を目指します。)